ぼくりり歌詞の魔術師。天才高校生の才能がとまらない。映画の世界へ

日本の音楽シーンを震撼させる驚愕の17歳、デビュー。
「ぼくのりりっくのぼうよみ」ファーストアルバム「hollow world」全曲試聴トレーラー映像

また才能ある高校生が現れる

以前Sclaps!の「DAOKO、ニコ動出身の新たな渋谷系女子ラッパー。顔出しの悩み」で紹介したDAOKOのように高校生で才能を発揮したミュージシャンがいる。
MVではミステリアスな姿をみせるこの男性は現在高校生。言葉の魔術師と呼ばれる「ぼくのりりっくのぼうよみ」。SEKAI NO OWARIのFukase、「サカナクション、2015ライブ休止中のボーカル山口一郎の行動」で紹介した、サカナクションの山口一郎が絶賛するアーティストだ。
2015年メジャーデビューを飾るや、「hollow　world」で配信チャートiTunes　週間アルバム・ランキングで最高4位といきなりのベスト5入りを果たす。音楽雑誌が続々と特集を組むほどの存在だ。
言葉をたくみに操る魔術師として名高い彼の文才は音楽業界のみならず、文学の業界からもオファーがくるほどで、「文學界」3月号でエッセイを寄稿するなどエッセイストとしてもデビューを果たしている。

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デビューのきっかけ

高校生の彼がここまで注目されることになった経緯は、ニコニコ動画の「ニコラップ」での出会いが大きく関係している。その「ニコラップ」でVACONという人物を知り、Twitterを通じ仲良くなっていくうちに、「一緒にやってみないか」と誘われたことがきっかけだという。
動画サイトにラップを投稿し、その翌年には音楽の甲子園といわれる10代限定のオーディションライブ、TOKYO　FM 「SCHOOL　OF　LOCK！」が主催する音楽の甲子園「閃光ライオット2014」に挑戦する。一万組の中からみごとファイナリストに残る。その閃光ライオットへの応募の経緯は、ある日突然ソニーミュージックから「あなたの歌をネットで聴きました。スタジオに来てください」というメールが来たという。半信半疑ながらも歌いに出向いた。
その約一か月後に「閃光ライオットに応募しておいた。2次審査に来てください」と言われたという。まさに世にでた有名人が他人の応募で勝ち残るというよくある法則にのっとった形となった。

ぼくりりの素顔

テレビ番組にはほとんどでない彼だが、その素顔はクールな楽曲とは違ったほんわかとした雰囲気の男の子である。高校生というのも頷ける。
ぼくりりの名前の由来を尋ねると、「一番最初に作った頃すごく棒読みだったんで、それでいいかなと思って」となんともさらりとした理由だった。続けて「変える機会を逃し続け今に至る」と付け加え、現在ここまで有名になった彼だが、「例えば、僕が38歳になって「ぼくのりりっくぼうよみ」って名乗っていたら、ヤバくないですか？」と安易に名前をつけたことを少し後悔しているようだ。
今でも自分で「ぼくりりです」と名乗るときも恥ずかしさがある。また、中学生の時には国語の模擬テストで全国1位になったこともあるという有名なエピソードがあり、学生らしさも未だ切り離せない。

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ぼくりりの世界

ぼくりりの魅力はなんといってもリリック＝歌詞だ。シンプルな楽曲にのせて歌うちょっと文学的な歌詞が若者の心をつかむ。
それは高校生とは思えない高い完成度である。
リリックを形成するにあたりぼくりりは「自分の中でそれっぽい言葉と、それっぽくない言葉があって、それっぽい言葉の中から選んでつなげていく、おでんとか・・・具体的な名詞はあまり使いたくないというか・・」という。つまりははっきりとした固有名詞でなく、抽象的な言葉で表現しそれをつないでいくという。

音楽、文学、そして映像の世界へ

ファーストアルバムの「hollow world」に収録されるMVは、BUMP OF CHICKENの「Hello,world!」「ray」やゲスの極み乙女。の「オトナチック」などを手掛けた東市篤憲監督が担当する。
「sub/objective」「CITI」「Sunrise」の3作品は史上初のデビューMV三部作となる。それは「鋭利で、3曲の時間軸をまたがってストーリーが展開する群像劇」と称され、MVの枠を超えた映画とも呼べる作品となっている。
また、2016年春公開予定の映画「hollow world」として完結するという計画であることが明らかになっている。ぼくりりのMVにも注目だ。

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